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【徹底解説】ファイナンシャルインクルージョンとは?具体例も紹介

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【徹底解説】ファイナンシャルインクルージョンとは?具体例も紹介

ファイナンシャルインクルージョンという言葉を知っているでしょうか。

日本ではまだまだ聞くことが少ない言葉ですが、欧米ではSDGsと並んで知っておくべき概念とされています。
また、日本でもファイナンシャルインクルージョンを必要とする人が多くいます。

そこで今回は、ファイナンシャルインクルージョンとは何か、日本における必要性などを解説します。
日本では普及していない一歩進んだ知識を身に付けましょう。

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この記事は20年以上金融サービスを提供してきたソモ㈱が執筆しています。

弊社のホームページはこちらです。

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ファイナンシャルインクルージョンとは

ファイナンシャルインクルージョン(金融包摂)とは、貧富の差や立場・地位などに関わらず誰もが金融サービスにアクセスできるようにすることです。

発展途上国では知識や信用力の不足により、金融サービスを受けられない人が多くいます。また、移民や不法入国者などが身分証明書を持っていないため、銀行口座を作成できないという問題もあります。

銀行口座を作成できないと、住宅を借りられない・就労できないなど、悪循環が発生します。

他にも融資を受けられないため貧困状態が続く、ローンを組めなくて高額な商品を購入できないなどもあります。

このような金融サービスの恩恵を受けられない人に、知識や仕組みなどの観点から誰でも金融サービスを受けられようとする取り組みがファイナンシャルインクルージョンです。

近年、「金融」と「テクノロジー」を掛け合わせた「フィンテック」という言葉をよく聴くようになりました。フィンテックとは、金融サービスと技術を組み合わせた革新的な動きのことです。
フィンテックにより新しい金融サービスが生まれ、多くの人が金融サービスを利用するようになりました。
フィンテックの本質は既存の金融サービスでは行き届かなかった層に、金融サービスを提供することにあります。

世界の金融サービスへアクセスできない人の割合

日本では銀行口座を作れるのは当たり前ですが、2017年における世界の状況は下記のようになっています。

出典:世界銀行 Global Findex Database 2017

日本や欧米では銀行口座を持っている成人の割合は90%を超えていますが、アフリカを中心とした途上国では20%以下の国も多くあります。
世界の人口のうち17億人の成人が、銀行口座を持っていません。2014年時点では20億人でしたので減少はしていますが、まだまだ十分とは言えないでしょう。

金融サービスに満足にアクセスできない人とは

低賃金や多重債務などの経済的要因で金融サービスにアクセスできない人、過疎地に住んでいる・金融知識が乏しいなど非経済的要因で金融サービスにアクセスできない人がいます。ここでは具体例を見ていきましょう。

ひとり親世帯の女性
女性は男性と比べると賃金が低い傾向にあります。その中でも、子どもの世話があり満足に仕事の時間を取れない「ひとり親世帯の女性」は、より低賃金になる傾向があります。

内閣府の男女共同参画「共同参画2019年2月号」によると、ひとり親世帯の相対的貧困率は50.8%です。この数字からも多くのひとり親世帯が、満足に金融サービスにアクセスできていないと考えられます。

高齢者
相対的貧困率は、病気や介護の影響を受けやすい高齢者で増加する傾向にあります。65歳以上の世帯では、4世帯に1世帯が相対的貧困に陥っているというデータがあります。
また、出歩くのが難しく銀行などに行けない非経済的要因がある人も多いです。

在日外国人
2019年の賃金構造基本統計調査によると、外国人労働者の平均賃金は月額22万3100円でした。日本人を含めた全体の労働者は30万7700円なので、外国人労働者は約7割の賃金水準です。
最低賃金で働いていたり、日本語が十分に分からないなどの理由で金融サービスにアクセスできない在日外国人が多くいます。

参考:厚生労働省 賃金構造基本統計調査

若者
15-29歳までの若年層は非正規の割合が多く、賃金が低い傾向にあります。また、年齢別の失業率では常に若者が上位を占めています。

出典:独立行政法人労働政策研究・研修機構 年齢階級別完全失業率

中流と貧困の間の層が金融サービスにアクセスしにくい

中流と貧困の間にエアーポケットとも言うべき金融サービスにアクセスしにくい層が存在します。
中流の人々は、当然問題なく銀行などの金融機関から、融資や口座振替などの金融サービスへのアクセスが可能です。

貧困層は生活保護制度などのセーフティネットを受けることが可能です。また、ファイナンシャルインクルージョンの取り組みとして、少額の融資を行う「マイクロファイナンス」も行われています。

しかし、中流と貧困の間の層は、金融機関のサービスを受けるには収入が高くなく、生活保護などのセーフティネットを受けるほどには収入が低くありません。
そのため、この谷間の層に金融サービスを受けられるようにすることが、ファイナンシャルインクルージョンに求められています。

日本におけるファイナンシャルインクルージョンの必要性

ファイナンシャルインクルージョンは発展途上国だけの問題ではありません。総中流と言われた日本の社会構造は過去のものです。貧富の差の広がりを、就業者数と生活保護の観点から見ていきましょう。

就業者数の変化
下の図は15歳以上の就業者数・正規従業員・非正規従業員の割合を男女別のグラフです。
仕事がない人々が約40%います。この40%の中には定年で仕事から離れている人もいますが、ファイナンシャルインクルージョンの観点から見ると、定年で収入が減った人も支援が必要とされます。

また、一般的に賃金が少ないとされる非正規職員・従業員の割合は約19%です。賃金が少ないと利用できる金融サービスは少なくなります。

生活保護受給者の変化
下の表は平成17年から平成29年までの、生活保護受給者数の推移です。
平成20年の世界金融危機から受給者数が増え始めて、現在でも高止まりしています。近年の傾向では、働き手世代の受給率は減少しているものの、高齢者世帯で受給率が増えています。

出典:厚生労働省 生活保護制度の現状について

ファイナンシャルインクルージョンの具体的な取り組み

ここではファイナンシャルインクルージョンの取り組みを具体例を挙げて紹介します。

マイクロファイナンス
マイクロファイナンスとは主に発展途上国の貧困層に向けて、少額の融資をするサービスです。
もともとは政府の補助や協力者からの寄付を募り、貧困層を救うための取組として始まりましたが、現在では事業としても成功している例もあります。
また、融資だけでなく預金や送金・保険の分野などへも広がっており、貧困層への金融サービスへのアクセスに貢献しています。

携帯電話を利用したモバイル送金サービス
途上国では他国へ出稼ぎに出る人が多くいます。
出稼ぎで稼いだお金は送金する必要がありますが、途上国では銀行口座を持っていなかったり・ATMなどお金を降ろす仕組みが充実していません。
そのため、銀行口座を持っていなくても送金が可能なモバイル送金が成長しています。
ケニアのモバイル送金サービス「M-Pesa」は携帯電話からショートメッセージ(SMS)を利用して、送金や預金・支払いを行うことができます。

M-Pesaの仕組み

出典:総務省 途上国に広がる「モバイル送金サービス」

ソモのファイナンシャルインクルージョンへの取り組み

弊社でも、多くの人へ金融サービスを届けたいという想いから、ファイナンシャルインクルージョンに取り組んでいます。
noteで金融知識について発信することも、ファイナンシャルインクルージョンの活動の一環です。

また、弊社独自のサービスである【分割PAY】は、クレジットカードを持っていない・ローンを組めない層へ分割払いを提供しています。

分割PAYを利用すれば、資金不足などで諦めていた商品やサービスを分割払いで購入できるようになります。
資格学校の授業料や入学費などの自己投資に利用して、自分をステップアップさせることも可能です。

誰一人取り残されない社会を作るために、これからも弊社ではファイナンシャルインクルージョンを推進していきます。

*分割PAYについての詳しい内容は、弊社のホームページをご覧ください。

まとめ

ファイナンシャルインクルージョンとは、貧富の差などにより金融サービスにアクセスできない人を減らす取り組みです。

発展途上国の貧困層には特に支援が必要です。
マイクロファイナンスやモバイル送金サービスを通じて、政府や金融機関がファイナンシャルインクルージョンに取り組んでいます。

日本ではまだ聞きなれない言葉ですが、中流と貧困の間にファイナンシャルインクルージョンを必要としている層がいます。
仕事に就けない・貯蓄がないという環境から抜け出すためにも、全ての人に金融サービスを届けられる社会を目指しましょう。

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