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サブスクリプションは会社のファイナンスにどのような影響を与えるのか

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サブスクリプションは会社のファイナンスにどのような影響を与えるのか

サブスクリプションを採用することにより、企業のファイナンスが大きく変化しています。

映画や音楽の配信などにより大流行しているサブスクリプションですが、財務面から見ると企業にどのような影響を与えるのでしょうか。

そこで今回は、そもそもサブスクリプションとはどのようなビジネスモデルなのか、流行している背景などを解説します。

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この記事は20年以上金融サービスを提供してきたソモ㈱が執筆しています。

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サブスクリプションとは

サブスクリプションは、顧客が料金を支払うことにより、一定期間サービスを受けられるビジネスモデルです。

有名なサブスクリプションサービスには、Netflix(ネットフリックス)やAmazonプライムなどの動画配信サービスがあります。

動画配信サービスは1か月に数百円から数千円を支払うと、配信されている映画などの動画が見放題になります。

IT技術の発展によりサブスクリプションも活発になってきていますが、ネットで完結するサービスだけでなく、服のクリーニングやおもちゃの貸出など実際に商品のやり取りがあるサービスも展開されています。

サブスクリプションとレンタルの違いは

サブスクリプションの説明をすると、勘違いが多いのがレンタルサービスです。一見すると商品やサービスを借りられる点で、似ているサービスではあります。しかし、両者には明確な違いがあります。

その違いとは、レンタルは「商品やサービスを借りる」のに対し、サブスクリプションは「商品やサービスを借りる権利」ということです。

レンタルでは特定のDVDやCDなど借りる商品が決まっていますが、サブスクリプションは権利なので期間中は何度でもサービスを受けられます。そのため、サービスを多く利用するほど、購入者にとってはお得です。

サブスクリプションの種類

サブスクリプションの種類は多岐にわたるので、ここではどのようなサービスがあるのか紹介します。

SaaS

SaaSとは「Software as a Service」の略で、サービスとしてのソフトウェアと訳します。ソフトウェアをインターネット経由で利用するサービスのことです。

SaaSは基本的に使いたい期間だけ契約をして、ソフトウェアを利用します。これまでのソフトウェアは一度購入したら使い続けられるものが多かったですが、最近はサブスクリプション型に移行してきています。

例えば、写真や動画の編集には欠かせないAdobeのソフトウェアは、いち早くサブスクリプション型に移行しました。

また、マイクロソフトが提供しているワードやエクセルなどのオフィスソフトも、「Office365」という名称でサブスクリプション型となっています。

デジタルコンテンツ

映画や音楽の配信などのデジタルコンテンツは、サブスクリプションと相性の良いサービスです。

これまで映画や音楽・ゲームなどは、実際に商品を販売するアナログコンテンツでした。これらをデジタル化することで、商品管理のコストを抑え、より多くの顧客にサービスを届けられます。

イギリスの調査会社「JUNIPER RESEARCH(ジュニファーリサーチ)」によると、2019年のデジタルコンテンツ市場は1540億ドルに達し、2014年と比べると60%近く増加しています。今後もデジタルコンテンツがサブスクリプション市場をけん引していくでしょう。

ファッション

サブスクリプションはインターネット上で完結するサービスだけでなく、実際に手元に商品が届くサービスもあります。

特に人気があるのがファッションのサブスクリプションです。洋服を毎月のように購入しているとクローゼットがすぐに一杯になってしまいますが、サブスクリプションは気に入らなかったらすぐに返却ができます。

また、自分では購入できないようなブランドのアイテムも用意されています。普段は挑戦できないファッションにチャレンジしたりと、楽しみ方が多いサービスです。

定期宅配

サブスクリプションコマースという購入型のサービスもあります。

従来の定期購入は、「毎月、洗剤が自動で届く」など商品が決まっていました。サブスクリプションコマースの場合は、「季節ごとに旬の花が届く」「その時期に一番おいしい果物が届く」など、商品のセレクトはショップ側がおこないます。

現代は商品の選択肢が多すぎて、何を選んだらいいかわからなくなり、商品選定に疲れている消費者が多くいます。商品選定に疲れた人たちに対し、サブスクリプションコマースは有効な訴求方法です。

サブスクリプションが流行している背景は?

なぜ、サブスクリプションはここまで流行しているのでしょうか。その理由は2つ考えられます。

IT技術の発展

サブスクリプションはその性質上、大容量のデータを送受信する必要があります。通信サービスの高速化により、データの送受信に問題がなくなったため、容量が大きなソフトウェアや映画などもインターネット上で配信が可能となりました。

また、ソフトウェアはアップデートをするために、新たなバージョンを発売していましたが、インターネット上で配信するだけで済むようになりました。これは企業にとってもユーザーにとってもうれしい流れです。

スマートフォンの普及で、インターネットに触れる時間が増えたことも大きな要因です。電車での移動時間などで、音楽を聴いたり映画を見たり、ショッピングをしたりと、サブスクリプションが発展する土壌となっています。

消費者の認識の変化(所有から利用へ)

若者の車離れなど、〇〇離れが情報番組などで盛んに取り上げられています。若者の購買意欲が下がっている原因として、収入の減少や将来への不安が挙げられます。

ただし、すべてに対して購買意欲がなくなっているわけでなく、「モノからコトへ」と言われるように体験にお金を使うようになってきています。

そのため、購入するよりも安価で、所有せずに体験ができるサブスクリプションは時代の流れにマッチしているといえるでしょう。

サブスクリプションファイナンスとは

サブスクリプションは企業の収益モデルに大きな変化をもたらしました。ここではサブスクリプションが会社の財務状況にどのような影響を与えるのか解説します。

収益構造の変化

商品やサービスを売る場合は、いつどれくらいの量を購入してくれるかの予想が難しいです。これは顧客とは、商品を販売する際の一度きりの関係だということも影響しています。

サブスクリプションでは、契約数に応じて定期的な収入が積み重なっていきます。

企業にとって先々の収益を見込めるのは、とても有益なことです。今後の投資戦略や人員の増強などの計画を立てやすくなり、企業運営がスムーズに進みます。

また、収益が積み重なるストック型のビジネスモデルのため、投融資が受けやすい傾向にあります。

サービス開始まではキャッシュアウトが先行する

サブスクリプションを始めるまでは、コンテンツの開発・マーケティングや営業活動などの費用により、キャッシュアウトが先行します。また、サービスを開始した後も、サブスクリプションが成長するまでは、赤字になることが多いです。

そのため、サービスの段階ごとの成長を予測してキャッシュフローを計画する必要があります。

LTV(顧客生涯価値)が高い

LTVとはLife Time Valueの頭文字を取った言葉で、顧客生涯価値と訳されます。ある顧客から生涯にわたって得られる利益のことです。

商品やサービスを販売する場合は、顧客との付き合いは一度限りであることが多いですが、サブスクリプションでは契約中は関係が継続します。

顧客との関係を長い間継続させるには、サービスの改善・顧客とのコミュニケーションが欠かせません。LTVを高めるためにもサービス開始後は、双方向にコミュニケーションを取り、顧客の要望を取り入れながら改善していく必要があります。

まとめ

消費者の志向の変化やIT技術の発達によって、多くの企業がサブスクリプションを採用しています。

サブスクリプションは企業にも消費者にもメリットがあるビジネスモデルのため、今後も成長していくでしょう。

ただし、商品やサービスを販売するのとはキャッシュフローが違うので、軌道に乗るまでの資金繰りをしっかりと予測する必要があります。

比較的新しいビジネスモデルですが、銀行などの金融機関には知見が溜まってきています。外部の力も借りながらサブスクリプションを軌道に乗せていきましょう。

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