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割賦販売の仕組みを分かりやすく解説!ローンとの違いは?

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割賦販売の仕組みを分かりやすく解説!ローンとの違いは?

割賦販売は、多くの人がクレジットカードなどで日常的に利用しています。

しかし、割賦販売の仕組みをよく知らずに利用している人は多いです。

この記事では、割賦販売の仕組みやローンとの違いなどを解説します。

割賦販売のメリットやデメリットを知れば、より上手に活用できるため、ぜひ最後までご覧ください。

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この記事は20年以上金融サービスを提供してきたソモ㈱が執筆しています。

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割賦販売の仕組み

割賦販売とは、商品やサービスの代金を分割で支払うことです。割賦販売の代表例として、クレジットカードの分割払いがあります。

割賦販売は、消費者が商品やサービスを購入する際に、代金を分割で支払う契約を結びます。契約の相手は商品を販売する店、もしくは信販会社です。

消費者はこの契約に基づき、決められた期間の間、代金を支払い続けます。分割回数や金額は、契約時に取り決めます。

割賦販売では、金利や手数料が発生するケースが多いです。そのため、支払総額が増えるので注意しましょう。

割賦販売の起源

割賦販売が一般的に普及し始めたのは、1800年代のアメリカとされています。

1807年にアメリカの家具販売業者が、高額な家具を購入しやすいように割賦販売を採用しました。

1850年代になると、ミシンや農機具の販売会社も割賦販売を開始して、売上を伸ばしました。

日本での割賦販売の起源は、1895年に愛媛県今治市の呉服店が開始したされています。

当時は「月掛け売り」という呼び方がされていて、売上の促進に役立ったそうです。

個別方式の割賦販売と包括方式の割賦販売

割賦販売には「個別方式」と「包括方式」があります。

個別方式とは、割賦販売契約を商品ごとに締結する方法です。契約ごとに分割回数や金利などを決められるため、柔軟な対応ができる方法です。

包括方式とは、あらかじめ締結した契約の範囲内であれば、複数の商品を分割払いで購入できる方法です。

どちらの方式を採用するかは、事業者の販売戦略や、利用者の利便性などを考慮して決められます。

割賦販売とローンの違い

割賦販売とローンは、どちらも分割払いの一種ですが、商品代金の支払い方法に違いがあります。

割賦販売は先ほど説明した通り、商品やサービスの代金を分割して支払う方法です。

ローンは金融機関や信販会社から資金を借り入れて支払いをおこない、定められた期間内に返済する方法です。

例えば、住宅を購入する際に、買主と売主が分割払いの契約を結べば割賦販売となります。これに対して、金融機関から資金(住宅ローン)を借り入れて支払うのであれば、ローンとなります。

割賦販売法との関係

割賦販売は、1961年に制定された「割賦販売法」に基づいています。

割賦販売法は、割賦販売が公正で健全な発展を測ることを目的としています。割賦販売法では、割賦販売を以下のように定義しています。

「商品やサービスの代金を2か月以上にわたり、3回以上の分割払いによる方式で回収する販売」

割賦販売法では、消費者を守るために「クーリング・オフ」や「支払停止の抗弁権」が定められています。

クーリング・オフとは、申込書面や契約書面を受け取ってから8日以内であれば、無条件で契約を解除できる制度です。

強引な勧誘や不意の勧誘で、本意でない契約をしてしまっても、消費者は保護されます。

支払停止の抗弁権は、クレジットカードやローンで購入した商品に問題があった場合、クレジット会社への支払いを拒む権利です。

このように割賦販売法があることで、消費者は安心して割賦販売を利用できます。

割賦販売のメリット

割賦販売のメリットには、初期費用が安くなる・所有権を得られるなどがあります。

ここでは、割賦販売のメリットを解説します。

初期費用が少なくなる

割賦販売を活用すると、商品の代金をまとめて支払う必要がないため、初期費用が少なくなります。

近年はスマートフォンが高額化して一括払いが難しくなっていますが、多くの人が割賦払いで初期費用を少なくしています。

割賦販売は手持ちの現金が少なくても、高額な商品を購入できる手段といえるでしょう。

所有権を得られる

割賦販売はレンタルと異なり、割賦代金の支払いが完了したら所有権は購入者に移転します。

長期的に使用するパソコンや設備など、自社の資産とする場合は、レンタルよりも割賦販売が向いています。

割賦販売のデメリット

割賦販売は、途中解約ができません。また、支払総額も増えます。

ここでは、割賦販売のデメリットを解説します。

途中解約できない

割賦販売は、クーリング・オフや支払停止の抗弁権などの場合を除き、基本的に途中解約できません。

ただし、契約時に途中解約に関する事項を取り決めているのであれば、途中解約できる可能性もあります。

割賦販売を途中解約したいと思ったら、まずは契約をした企業に問い合わせてみましょう。

支払総額が増える

割賦販売を利用すると、金利や手数料が発生するため、支払総額が増えます。

例えば、10万円の商品を24回払い(金利10%)で購入すると、毎月の支払いは約4,620円ですが、支払総額は約110,880円になります。

一括払いで購入するよりも、約10,880円多く支払う必要があるため注意が必要です。

ただ、一部の割賦販売では、「金利0%キャンペーン」をおこなっていることがあり、一括払いと同じ金額で購入できるケースもあります。

割賦販売の金利やキャンペーンは店舗や信販会社により異なります。欲しい商品が複数の店舗で販売されているのであれば、複数店舗を比べて、お得な店舗を探しましょう。

また、割賦販売は支払期間が長くなるほど、支払う金利が増えてしまいます。資金に余裕があれば、短い期間での分割や、繰り上げ返済を検討してください。

割賦販売の仕訳

割賦販売の会計処理は、通常の売上とは異なります。通常の売上と区別するために、勘定科目は「割賦売上」と「割賦売掛金」を使います。

例えば、36万円の商品を24回払いで割賦販売をしたときの仕訳は以下の通りです。

借方貸方摘要
割賦売掛金350,000割賦売上350,00024回払い

続いて、商品の購入者から分割で商品代金を受け取ったら、入金の仕訳をします。

1回目の代金を受け取った場合の仕訳は以下の通りです。

借方貸方摘要
現金預金15,000割賦売掛金15,0001回目(全24回)

摘要欄には、何回目の支払なのか分かるようにすると、回収漏れがなくなります。誰からの振込かも記載しておくと、よりミスのない処理ができるでしょう。

まとめ

割賦販売とは、商品やサービスの代金を分割で支払うことです。

割賦販売には、個々の商品ごとに割賦販売契約をする「個別方式」と、複数の商品を分割払いで購入できる「包括方式」があります。

1961年に制定された割賦販売法は、割賦販売が公正で健全な発展を測ることを目的としています。クーリング・オフや支払い停止の抗弁権は割賦販売法で定められていて、消費者は安心して割賦販売を利用可能です。

割賦販売には、初期費用が少なくなり、支払い完了時には所有権を得られるメリットがあります。

しかし、基本的に中途解約できず、支払総額が増えるなどのデメリットもあります。

割賦販売はとても便利な決済方法ですが、あなたの手持ちの資金と相談して、計画的に利用してください。

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