店舗が負担する分割払いの手数料はいくら?客負担はできない?
コラム
自社の決済手段に分割払いを導入する際に、気になるのは手数料です。
さまざまな分割払いサービスがあるため、それぞれの手数料を把握していない人も多くいます。
この記事では、分割払いの種類ごとの手数料や、分割払いを導入するメリットを解説します。
自社に最適な分割払いを選べるようになるため、ぜひ最後までご覧ください。
この記事は20年以上金融サービスを提供してきたソモ㈱が執筆しています。
目次
分割払いの手数料は店舗側が負担する
分割払いにはクレジットカードやショッピングローンなど、さまざまな種類のサービスがあります。
分割払いに必要な手数料は、基本的には店舗側が負担するため、消費者が負担する必要はありません。*金利の負担は除く
分割払いの手数料を消費者に負担させようとして、現金払いよりも分割払いの支払金額が高く設定している店舗があります。しかし、手数料を消費者に負担させるのは、多くのサービスで利用規約に違反します。
利用規約を無視して消費者へ負担させ続けると、分割払いの運営会社から解約される可能性もあるため注意してください。
店舗側が負担する手数料は、分割払いのサービスにより異なります。
分割払いを導入すれば、新たな顧客の取り込みが見込めますが、手数料の負担も発生するため事前の検討が重要です。
分割払いの手数料
自社の支払いに分割払いを導入する場合、手数料を把握しておきましょう。ここでは、分割払いの手数料を解説します。
クレジットカード
クレジットカードの加盟店手数料は、導入する店舗の業種や規模により異なるのが一般的です。
業種ごとの手数料の目安は以下の通りです。
- コンビニ、スーパーマーケット:1~2%
- 個人店、小売店:3~6%
- 居酒屋、食堂:4~7%
- エステや美容院などのサービス業:5~8%
上記の相場から考えると、1,000円の支払をクレジットカードで決済した場合、10円~80円ほどの手数料を店舗が負担します。
BNPL
BNPLの手数料は、クレジットカードよりも高くなる傾向にあります。
BNPLは与信審査が簡易的で、若年層や資金が豊富でない人が利用するケースが多くて、未回収のリスクが高いためです。
しかし、クレジットカードでは取り込めない客層を狙うことができます。
BNPLの手数料は、決済金額の4~6%が一般的です。クレジットカードは平均すると3%前後なので、少し割高といえるでしょう。
分割PAY
分割PAYとは、自社サイトに決済フォームを張り付けたり、決済リンクをメールで送信するだけで、簡単に分割払いを導入できるクラウドサービスです。
業務委託手数料は、商品(役務)の合計金額×0.35%×分割回数(分割金が未回収の場合はかかりません)です。
例えば、10万円の商品を5回払いで決済した場合は、店舗側は1,750円を負担します。クレジットカードの手数料が3%だとすると、10万円の決済で手数料は3,000円なので分割PAYの方がお得です。
スクールの受講料やセミナー料・コンサルティング料など幅広い商品に利用できます。
分割PAYについて詳しく知りたい方は、こちらのページからお気軽にお問い合わせください。
手数料を支払ってでも分割払いを導入する理由
分割払いを導入すると、高額商品の売上が伸びる、現金管理の手間が減るなどのメリットがあります。
ここでは、手数料を払ってでも店舗が分割払いを導入する理由を解説します。
高額な商品の売上が伸びる
分割払いは、さまざまな商品の決済時に利用されますが、特に高額な商品で利用されることが多いです。
高額な商品を分割払いで購入すれば、消費者は毎月の支払い負担が減らせるため、売上が伸びるでしょう。
特に以下のような商品で、分割払いが活用されています。
- 家具
- 家電
- スクール受講料
- 宝石 など
高額な商品を一括で変えない購買層であっても、分割払いであれば支払えます。そのため、分割払いを導入すれば、自社の購買層が増えて、高額商品の売上が伸びるでしょう。
現金管理の手間が減る
分割払いは、基本的にキャッシュレス決済なので、現金管理の手間を減らせます。
日本は諸外国に比べると、キャッシュレス決済の比率は低いです。そのため、キャッシュレス決済の有用性が浸透していません。
キャッシュレス決済には、以下のようなメリットがあります。
- 現金と違い盗難のリスクがない
- システムに履歴が残るため経理作業の手間が減る
- 飲食店では現金に触れないので衛生的
- レジの締め作業がなくなる
- 両替手数料を支払う必要がなくなる
日本では労働人口の減少により、多くの企業が人手不足に陥ると予測されています。
分割払いを導入してキャッシュレス比率を高めて、少しでも作業の手間を減らしていきましょう。
消費者が負担する分割払いの手数料
分割払いには、店舗が支払う手数料だけでなく、消費者が負担する手数料もあります。
ここでは、消費者が負担する分割払いの手数料について解説します。
年会費
クレジットカードには、年会費が発生するものがあります。年会費はカード会社により異なり、数千円から数十万円と幅広いです。
クレジットカードには分割払いができる他に、さまざまな特典が付いています。年会費が高いほど、特典が豪華になる傾向にあります。
クレジットカードの特典例
- ポイント還元率アップ
- 旅行傷害保険
- 提携店舗での優遇サービス
- グッズのプレゼント
- コンシェルジュサービス
- 航空ラウンジの無料利用
年会費が無料のクレジットカードも多いですが、特典は必ずチェックしましょう。
旅行が好きな方は、空港ラウンジの無料が充実しているカードがおすすめです。利用金額の多い方は、ポイント還元率がアップするカードがいいでしょう。
年会費と特典のバランスを考慮して、利用するクレジットカードを選んでください。
分割払い手数料
分割払い手数料とは、分割払いの期間に応じて発生する手数料です。
クレジットカードの場合は、年率12~15%ほどが一般的です。BNPLの場合は、利用者に分割払い手数料の負担はありません。
分割PAYでは、分割払い手数料を自由に設定できます。手数料が高すぎると申込者が減ってしまいますが、上手に活用すれば新たな収益源となるでしょう。
分割払いを導入する際は、利用者が負担する分割払い手数料の金額も考慮して決めてください。
遅延損害金
分割払いの支払いを、期日までに返済できなかった場合は、遅延損害金が発生します。
遅延損害金は、法定上限利率が年20%と定められています。返済が遅れるほど金額が大きくなるため、少しでも早く返済しましょう。
分割払いの返済が遅れて、資金を用意できる目途が立たない場合は、まずは分割払いの提供業者へ相談しましょう。
返済する意思を伝えながら相談すれば、支払い時期や回数の見直しをしてくれる可能性があります。
何も連絡をせずに返済をしない状況が続くと、法的手段に移行する場合があります。
まとめ
分割払いの手数料は、基本的に店舗側が負担します。クレジットカードでは利用規約で、消費者に負担させることを禁止しています。
分割払いには、クレジットカードやBNPL・分割PAYなど多くのサービスがあります。サービスにより分割払いの手数料は異なるので、自社にとってもっともメリットのあるサービスを選びましょう。
また、店舗側が負担する手数料以外に、年会費や遅延損害金など消費者が負担する手数料もあります。
自社に分割払いを導入する場合、消費者が負担する手数料を含め総合的に検討して、最適な分割払いサービスを選んでください。